天草の海には、たくさんの魚貝類がいて、素晴らしい海の幸に恵まれています。
それは、回遊する哺乳類であるイルカが、数百年にわたり200匹以上定住している五和町二江沖の海の環境をみると明らかです。
天草イコール海というイメージですが、それを海鮮蔵で実感することができます。
ヒオウギ貝を釣る
海鮮蔵では、面白い体験ができます。通常は、魚を釣りますが、ここではヒオウギ貝を、釣り竿で釣るという体験です。
ヒオウギ貝は、とても色鮮やかで美しい貝ですが、食してもとても美味しい味です。
海鮮蔵では、生けすにいるヒオウギ貝に釣り竿を垂れると、パかッと開いている貝が反応して、貝の口を閉じてしまいます。
それで、釣れるというのですが、実際に釣ってみるとそう簡単に釣れません。
貝にも貝の都合があるので、ジッと閉じている時もあり、チャンスは口を開いた時ですが、うまく食いついたらいいのですが、空振りの時は警戒してなかなか口を開きません。
大人も童心に戻って楽しく遊んでしまいますが、なんといってもここでは炭火で生の海鮮料理を食べる喜びがあります。
思わず舌鼓を打つ美味しさ
海鮮蔵の炭火のシーフードバーベキューは、絶品です。ヒオウギ貝だけでなく、イカ、エビ、サザエ、アワビ、アジなど、天草の近海で獲れた魚介塁を、直火で焼きながら香ばしい香りとその味にため息が出てしまいます。
塩や醤油を適当にかけて食べるのですが、素のままでも最高の味です。
もっとも原始的で、もっとも美味しい食べ方がここにあります。
炭火で焼かれる生きた魚貝類を見ると申し訳なくなりますが、私たちの命を養ってくれているのは、命のあった生き物たちであることを、あらためて実感する非日常的な体験です。
のさりの島巡りはこれだからたまりません。
恵まれた自然環境
イルカは美しい自然環境の中に生息しています。イルカがいる限り、安心して暮らせますが、もしもイルカがいなくなったら、その海では自然環境が悪化しているといわれます。
天草の二江沖に長年生息しているイルカの群れは、日本でも有数です。ここでは素潜り漁が盛んですが、素潜りで最も怖いのがサメです。しかし、イルカがいるお陰で、サメから漁師を守ってくれているそうです。
よくイルカは漁場を荒らすともいわれていますが、それは人間本位の考え方で、イルカにとっては人間がイルカの漁場を荒らしています。
イルカウォッチングが盛んになり、多くの人たちがイルカを見に来ますが、ウォッチングの船はかつては漁に出て稼いでいたのが、現在はイルカで稼いでいます。
イルカと共存共栄して暮らす漁師さんたちは、のさっています。
イルカを守る海は、イルカに守られている海でもあります。天草の自然の美しさを語る時に、イルカ無しでは語れません。
イルカウォッチングを楽しむ秘訣
イルカウォッチングを楽しむなら、女子と一緒に行くに限ります。イルカは女子がいるとバンバン飛び跳ねるからです。
「そんな、バカな!」と思うでしょうが、これは本当の話で、女子はイルカを見た瞬間「キャーキャー」と黄色い歓声を上げます。この声に、イルカたちが反応してドンドン飛び跳ねると、イルカウォッチングの船長さんはいっていました。
確かに、男の人ばかりならイルカを見ても、大して騒がないでしょうし、大きな声も上げないでしょうね。するとイルカも張り切りようがないわけです。
だから、イルカウォッチングに行くには、すぐに感動する女子と一緒に行くと、楽しいイルカショーが楽しめます。
天草は海外貿易の国際都市だった
イルカが生息する二江沖の海に現在は橋がかかっている通詞島という周囲が約4キロの歩いて1時間で周遊できる島があります。
実はこの島には昔、通訳が住んでいたことから「通詞島」と呼ばれています。
この通詞島から東京までの直線距離は約950キロ、中国の上海までの直線距離は約800キロで、なんと150キロも上海の方が近いのです。
かつて天草は、中国や東南アジア、さらにスペイン、ポルトガルなどの商人たちと貿易をしていました。
そのため、通詞島のような外国語を話す通訳がいる場所が、島のあちこちにありました。
天草は、日本でも異質な歴史と文化を持つ島でした。